東京テアトル株式会社



 
『黒澤明の軌跡』
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【上映全28作品】


姿三四郎』(1943年/79分)
一番美しく』(1944年/85分)
続姿三四郎』(1945年/82分)
虎の尾を踏む男達』(1945年/58分)
わが青春に悔なし』(1946年/110分)
酔いどれ天使』(1948年/98分)
素晴らしき日曜日』(1948年/108分)
野良犬』(1949年/122分)
静かなる決闘』(1949年/95分)
羅生門』(1950年/88分)
醜聞』(1950年/104分)
白痴』(1951/166分)
生きる』(1952年/143分)
七人の侍』(1954年/207分)
生きものの記録』(1955年/113分)
蜘蛛巣城』(1957年/110分)
どん底』(1957年/125分)
隠し砦の三悪人』(1958年/139分)
悪い奴ほどよく眠る』(1960年/151分)
用心棒』(1961年/110分)
椿三十郎』(1962年/96分)
天国と地獄』(1963年/143分)
赤ひげ』(1965年/185分)
どですかでん』(1970年/140分)
影武者』(1980年/179分)
 乱 』(1985年/162分)
八月の狂詩曲』(1991年/97分)
まあだだよ』(1993年/134分)





監督
 黒澤明
原作
 富田常雄
出演
 藤田進
 大河内伝次郎
 月形龍之介
 轟夕起子

1943年 79分

(C)1943 TOHO CO., LTD.

姿三四郎


【上映日時】

6/6(水)19:00 6/7(木)12:00

 
記念すべき黒澤明の監督処女作。山本嘉次郎監督に薫陶を受けた黒澤が、身につけた映画的知識の全てを披露すべく取り組んだ斬新なアクション映画として、高い評価が寄せられた。全部で7つある重要な格闘シーンは、それぞれが1本の映画のクライマックスとして成立可能なほどの迫力・完成度を見せ、分けてもコマ落としやモンタージュ技法を駆使した、三四郎と檜垣源之助との最後の一騎討ちシーンは公開から半世紀を経た今となっても古さを感じさせない。
 時は明治15年。修道館の柔道家・矢野正五郎の人徳に深く打たれた姿三四郎は、門下生として修道館に入門。たちまち頭角を現すが血気にはやり、稽古止めの罰を受ける。やがて師の言葉の真意を理解した三四郎は、柔道家として技能、精神共に大きく成長してゆくのだが、修道館と対立する他流派の猛者たちはそんな三四郎に次々と戦いを挑んでくる。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
撮影
  小原譲治
出演
  志村喬
 
矢口陽子
  清川荘司

1944年 85分


(C) 1944 TOHO CO., LTD.

一番美しく


【上映日時】

6/4(月)15:30


 『姿三四郎』に続く監督進出第2作。黒澤監督には珍しく、若い女性の集団劇を扱ったものとして独特の位置を占めている。監督自身にとっても「私の一番可愛い作品である」という。

 物語は敗色濃い昭和19年、女子挺身隊として徴用を受け、軍需工場に働く少女たちの日々を描いたもの。女子挺身隊とは、戦時下に男子労働者が軍隊に召集されたため弱体化した国内産業を補うべく、14歳以上25歳未満の独身女性を勤労動員した制度のことs。 当時、映画用フィルムを軍需物資として統制する権限を持っていた軍は、戦意昂揚映画の製作を各映画会社に要請、黒澤も海軍からゼロ戦の活躍を描く空中アクション作品の企画を持ちかけられていた。しかし戦況悪化と共にそれは立ち消えとなり、代替作として作られることになったのがこの作品である。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
  富田常雄
出演
  藤田進
  大河内伝次郎
 
月形龍之介
  轟夕起子

1945 年 82分


(C) 1945 TOHO CO., LTD.

續姿三四郎


【上映日時】

6/10(日)15:30

 監督デビュー作『姿三四郎』は、戦意昂揚作全盛の時代に発表された明るいアクション映画として、観客・批評家から熱狂的な支持を受けた。思わぬ大ヒットに続編の製作が急遽決定、敗戦直前の1945年5月の公開に至る。前作と同様、富田常雄の小説が原作とされているが、小説の一部のエピソードが使われただけで、大部分は黒澤監督の創作によるもの。柔術対柔道の抗争をエンターテインメント・アクションとして見せ切る一方、後の黒澤作品に通底するヒューマニズムの精神を色濃く押出し、早くもその個性を発揮しているところが注目される。
 右京ヶ原の対決で三四郎に敗れ、病床に臥せていた檜垣源之助のもとに、弟の鉄心と源三郎が訪れる。兄の敵・姿三四郎を打倒するための上京だった。そんな彼らにかつての自分を見た源之助は、三四郎に自らの過去と弟たちの非礼を詫びる。しかし、2人からの果たし状を受け取った三四郎は、単身彼らの待つ雪の天狗峠に向かうのだった。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
撮影
  伊藤武夫
出演
  大河内伝次郎
  榎本健一
 
藤田進
  森雅之
  志村喬

1945年 58分


(C) 1945 TOHO CO.,LTD.

虎の尾を踏む男達


【上映日時】

6/5(火)15:30

 黒澤監督にとって、唯一のミュージカル作品ともいうべき異色作。歌舞伎の「勧進帳」をもとに、大河内傳次郎を弁慶に、藤田進を富樫役に据え、しかも原作にはない強力を登場させて、当時人気絶頂だったエノケンこと榎本健一を起用するという贅沢さ。日本の古典芸能に興味をもっていた黒澤が、歌舞伎のパロディを試みた画期的な作品となった。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  久坂栄二郎

撮影
  中井朝一
出演
  原節子
  藤田進
  大河内伝次郎

1946年 110分

(C)1946 TOHO CO.,LTD.

わが青春に悔なし


【上映日時】

6/6(水)15:30


 黒澤映画には珍しい、女性を主人公にした作品。1933年の京大事件と第2次大戦中に発覚したゾルゲ・スパイ事件、この現実に起こったふたつの事件に想を得て、帝国主義に勇敢に立ち向かうヒロイン(原節子)の生きざまを描く。
 原節子が演じるのは京大事件で大学を追放された滝川教授をモデルにした、八木原教授の娘・幸枝。幸枝は戦争中に敵のスパイとして逮捕され、獄死するジャーナリスト・野毛(モデルはゾルゲ事件の尾崎秀実)と愛し合い結婚。彼の死後も信念をもって逞しく生き抜いていく。そのヒロイン像は「日本が新しく生まれ変わるためには、女性も自我を強くもたなければ」という黒澤監督の考えを反映したものだった。当時の若者たちの共感を得たこの生き方は、いま見てもまぶしい美しさを放っている。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  黒澤明
  植草圭之助
撮影
  伊藤武夫
出演
  志村喬
  三船敏郎
  木暮実千代
  山本礼三郎


1948年 98分

(C)1948 TOHO CO.,LTD.

酔いどれ天使


【上映日時】

6/10(日)19:00 6/11(月)12:00 

 闇市を支配する肺病やみの若いやくざと、彼を診療する貧乏な酔いどれ医師とのぶつかり合いを通して、戦後風俗を鮮やかに描き出した力作。黒澤作品への出演を足掛りに後に大スターとなる三船敏郎と、監督・黒澤 明は運命的な出会いを果たす。
 当時無名だった三船が演じたのは、主人公の破滅的やくざ・松永。黒澤監督はタイトル通り志村喬の演じる呑んだくれの医者・真田と、街の人々との交流の映画を考えていたが、患者の一人でやくざの幹部役だった三船の野獣のようなエネルギー溢れる演技に魅了され、当初の構想を変えてしまう。その結果として、暗い世相を背景に正しい生き方を見失っている人々に乱暴なやり方で正しい道を指し示す真田と、やくざの生き方から抜け出そうにも抜け出せず、肺病に絶望してますます荒々しい姿になっていく松永との真剣勝負の対峙が、観客に強烈なインパクトを与えた。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  植草圭之助
撮影
  中井朝一
出演
  沼崎勲
  中北千枝子

1947
年 108分

(C)1947 TOHO CO.,LTD.

 

 

 

素晴らしき日曜日


【上映日時】

6/19(火)15:30

 1947年に公開されたこの作品は、敗戦直後の風俗を背景に恋人たちのささやかな日常を描いて、爽やかな感動を呼び起こした。敗戦後の悲惨な世相の中で、日本人が本当に求めている映画とはどんなものかを真剣に考えていた黒澤監督は、アメリカのサイレント映画『素晴らしき哉人生』にヒントを得て、恋人たちを"激しい現実の中"に呵責なくさらし、その中から"萌え出してくるような夢"をつかまえる姿を描こうと考えた。
 当時のお金でわずか35円を握りしめ、デートをする恋人たちのある日曜日。その1日を追うという物語の脚本化に協力したのは、黒澤監督の小学校時代からの親友で劇作家の植草圭之助。映画のクライマックスでは、主人公の昌子が観客のいない野外音楽堂でひとりタクトを振る雄造のために、映画館の観客に向かって「私たちに美しい夢が描けるように、拍手をお願いします」と呼びかける。この前代未聞のシーンには、黒澤監督の熱い想いが込められており、この作品がパリで公開された時には、映画館が熱狂的な拍手につつまれたという逸話も残っている。心暖まるこの作品で黒澤は、数々の監督賞を受賞した。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  黒澤明
  菊島隆三
撮影
  中井朝一
出演
  三船敏郎
  志村喬
  淡路恵子
 木村功

1949
年 122分

(C)1949 TOHO CO.,LTD.

野良犬


【上映日時】

6/11(月)19:00 6/12(火)12:00 

6/18(月)19:00 6/19(火)12:00

 ジョルジュ・シムノンの小説を愛読する黒澤 明が、日本映画に刑事もののジャンルを確立した記念すべき作品。実話をモチーフに、ピストルを奪われた新米刑事が、そのピストルで殺人を続ける犯罪者を追いつめる過程を克明に描く。さらに刑事と犯人という立場の違う二人の復員兵を戦後社会に放ち、捜査過程の中で真っ向から対決させるという構成も巧みである。この作品には黒澤の戦後感が強く投影され、単なる刑事ものにとどまらない奥行きの深さをもっている。
 暑い夏の一日、犬が舌を出して喘いでいるという印象的なショットから始まるこの映画の導入部は、黒澤作品の中でも屈指といわれる構成の妙。刑事が歩き回る闇市、スラム街、野球場、ホールといった戦後の社会の猥雑な風景は、照りつける夏の陽射しの中で異様なエネルギーを感じさせる。それとは逆に荒々しい対決シーンでは、のどかなピアノ曲を流すなど、映像と音楽の対照によって耳から感情を揺さぶる斬新なアイディアも観客を驚かせた。監督補佐には、この作品の5年後に『ゴジラ』で世界的に有名な監督となる本多猪四郎。脚本家・菊島隆三の出世作でもある。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
  菊田一夫
脚本
  黒澤明、谷口千吉
撮影
  相坂操一
出演
  三船敏郎
  志村喬
 
三條美紀

1949年 95分


(C)角川映画

静かなる決闘


【上映日時】

6/22(金)15:30

 戦時中、中国戦線の軍医として従軍していた青年医師は、当時「不治の病」と言われていた「梅毒」に誤って感染してしまう。復員後、婚約者の人生を考えた彼は、わざと冷たく接し自分を諦めるよう促し、誠実な医師として働きながら一人で病と戦おうとする。婚約者への仕打ちを責められ苦悩する彼は、やがて病気について打ち明けるのだが・・・。
 黒澤明が初めて東宝以外で演出した作品。音楽は『ゴジラ』などの巨匠・伊福部昭が担当。製作当時は不治の病であった「梅毒」に感染しながらも、病魔と、そして己の人生と闘い、誠実に生きようとする主人公を、三船敏郎が好演している。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
  芥川龍之介
  「羅生門」「藪の中」
脚本
  黒澤明
  橋本忍
出演
  三船敏郎
  京マチコ
  森雅之
  志村喬
  千秋実


1950年 88分


(C)角川映画

羅生門


【上映日時】

6/5(火)19:00 6/6(水)12:00 6/14(木)15:30

 芥川龍之介の小説を原作にヴェネチア映画祭でグランプリを受賞。
 平安時代、都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。侍は殺され、女は犯された。やがて山賊は捕まり、事件は検非違使によって吟味される事になった。しかし、事件についての各人の証言はまったく食い違ったものだった。果たして事件の真相とは・・・。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  黒澤明
  菊島隆三

撮影
  生方敏夫
出演
  三船敏郎
  山口淑子
  志村喬


1950年 104分


(C)1950 松竹株式会社

醜聞<スキャンダル>


【上映時間】

6/12(火)15:30

 新進画家の青江一郎(三船敏郎)は、温泉で偶然知り合った美貌の声楽家とのスナップ写真をネタに、事実無根のスキャンダルを雑誌によってでっちあげられる。憤る青江に弁護を申し出てきたのは、世俗にまみれた悪徳弁護士であった・・・。
 マスコミの愚劣なスキャンダル合戦を通し、誤った認識で言論の自由を語る社会そのものを徹底批判した黒澤明監督若き日の作品。現代にも通じる社会的テーマのなかで、世俗にまみれた弁護士の人間的再生を描く、ヒューマニズムの尊さを訴え続けた黒澤監督ならではの秀作。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
  ドストエフスキー
脚本
  黒澤明
  久坂栄二郎
出演
  三船敏郎
 
原節子
  森雅之
  志村喬

1951年 166分

(C)1951松竹株式会社

白痴


【上映日時】

6/7(木)15:30

ドストエフスキーの名作を、森雅之、三船敏郎、原節子、久我美子という豪華キャストで映画化した美しくも激しい愛憎劇。

▲PEGE TOP

 

監督
  黒澤明
脚本
  黒澤明
  橋本忍
  小国英雄
撮影
  中井朝一
出演
  志村喬
  日守新一
  田中春男
  千秋実
  小田切みき


1952年 143分

 (C)1952 TOHO CO.,LTD.

生きる


【上映日時】

6/3(日)19:00 6/4(月)12:00 

6/16(土)15:30 6/17(日)12:00

 自分が胃がんに冒されている事を知った公務員の生きざまを通して、人間の真の生き甲斐を問うたこの作品は1953年度のベルリン映画祭銀熊賞を受賞。世界の映画史上にも名高い作品となった。
 当時「僕は時々ふと自分が死ぬ場合のことを考えて居ても立ってもいられなくなる。もっと生きているうちにしなければならないことが沢山ある」と実感していた黒澤監督は、文豪トルストイの「イワン・イリッチの死」を読んで心うたれる。そして無意味な生き方をしていた人間が、死に直面して初めて、自分がまるで生きていなかったことに気づき、残された時間を懸命に生きようとする、いわば"人間の軽薄から生まれた悲喜劇"を語ろうと思い立つ。
 ほんの端役に至るまで、全ての登場人物に性格のはっきりとした一線級の俳優を起用したのは当時では異例のことだったが、この黒澤の方針は作品に重厚感を与え、『生きる』が傑作として揺るぎない評価を得る土台となった。なかでも主人公を演じた志村喬は、この一作で世界にその名を知られる名優としての地位を確立し、ブランコに乗って「ゴンドラの唄」を口ずさむシーンは多くの人々に感銘を与えた。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  黒澤明
  橋本忍
  小国英雄
撮影
  中井朝一
出演
  三船敏郎
  志村喬
 
津島恵子
  藤原釜足
  加東大介
  木村功

1954年 207分


(C)1954 TOHO CO., LTD.

七人の侍


【上映日時】

6/2(土)19:00 6/3(日)11:00 

6/17(日)19:00 6/18(月)11:00

日本映画史上空前の超大作であり、映画各誌の邦画ベストテンで第1位の栄誉に輝く黒澤映画の金字塔。野武士が野盗化していた戦国時代を舞台に、貧しい百姓たちが侍を雇い、全力をあげて野武士の群から村を守ろうとする姿を描く。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
脚本
  橋本忍
  小国英雄
  黒澤明
撮影
  中井朝一
出演
  三船敏郎
  志村喬
  千秋実
  清水将夫
  三好栄子
 
青山京子

1955年 113分


(C)1955 TOHO CO., LTD.

生きものの記録


【上映日時】

6/4(月)19:00 6/5(火)12:00

 "核"に対する恐怖を軸にして、黒澤監督が自分の核反対の立場を力強く明確に打ち出した力作。
 鋳物工場を経営する老人・中島喜一は家族皆でブラジルへ移住しようと突然言い出す。南米なら原水爆の放射能から逃れられると主張するのだ。ワンマン社長の喜一の頭がおかしくなったと、家族は猛反対。一家の財産を任せておいては大変な事になると、法律に訴えて喜一の権利を全て剥奪してしまう。そして本能に忠実に恐怖から逃れようとした喜一は、自由を奪われて本当に発狂していくのだった。


▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
  ウィリアム・シェイクスピア
  「マクベス」
脚本
  小国英雄
  橋本忍
  菊島隆三
  黒澤明
撮影

  中井朝一
出演
  三船敏郎
 
山田五十鈴
  志村喬
  久保明
  千秋実

1957年 110分


(C)1957 TOHO CO., LTD.

蜘蛛巣城


【上映日時】

6/7(木)19:00 6/8(金)12:00 6/17(日)15:30

 シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に翻案して作られた作品。内外で好評を博した1957年度ロスアンゼルス国際映画賞、リスボン国際映画祭特別賞を受賞した。
 群雄割拠の戦国時代。蜘蛛巣城の城主・国春に仕える猛将・鷲津武時と三木義明は謎の老婆による予言を聞く。それによれば武時は、やがては蜘蛛巣城の城主になれるという。もとより権力欲の強い武時は妻の勧めも手伝い国春を殺害、念願の蜘蛛巣城主に治まる。しかし疑心暗鬼に陥り始めた武時は盟友の三木親子も手にかけ、次第に妄執に取り憑かれていく。そんなとき隣国の乾の軍勢が国境を超え、なだれ込んでくる。先手の将は、武時により国春殺しの濡れ衣を着せられた、かつての軍師・則保だった。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
  マクシム・ゴーリキー
脚本
  小国英雄
 
黒澤明
撮影
  山崎市雄
 
山崎市雄
出演
  中村鴈治郎
  山田五十鈴
  香川京子

1957 年 125分


 (C)1957 TOHO CO.,LTD.

どん底


【上映日時】

6/13(水)19:00 6/14(木)12:00

 帝政ロシアを舞台にしたゴーリキーの名作戯曲を、日本の江戸時代の棟割り長屋に暮らす貧しい庶民たちの話しに置き換えた、黒澤 明の得意とする骨太な人間ドラマ。
 入念なリハーサルを行ない、複数のカメラで一気に撮りあげることで、俳優たちの演技を中断させないという、黒澤監督独特のマルチ・カム方式による演出が頂点を極めた作品として、公開当時絶賛された。それを可能にしたのは、芸達者な俳優をズラリと揃えたキャスティング。黒澤作品に一貫したテーマのひとつである"人間の悲劇性と表裏一体の喜劇性"が、生き生きとした演技の中に溢れている。なかでも山田五十鈴の入魂の演技は、この作品の最大の見所と言える。

▲PEGE TOP

監督
 黒澤明
脚本
 黒澤明
 菊島隆三
 小国英雄
 橋本忍
撮影
 山崎市雄
出演
 三船敏郎
 上原美佐
 千秋実
 藤原釜足
 藤田進

1958年 139分


(C)1958 TOHO CO.,LTD.

隠し砦の三悪人


【上映日時】

6/9(土)12:00 6/12(火)19:00 

6/13(水)12:00 6/21(木)15:30

 戦国時代を舞台に、敗軍の将が追っ手から姫君と財宝を守って、敵中を突破するアクション活劇。ジョージ・ルーカスがこの作品からあの『スター・ウォーズ』のアイディアを得たというエピソードは、あまりにも有名。
 戦国の乱世、秋月家は隣国の山名家と一戦を交えて敗れる。秋月家の侍大将・真壁六郎太は、世継ぎの姫君を擁して隠し砦にこもった。砦近くにはお家再興の軍資金、黄金二百貫が隠されていたのだ。だがここを脱出するには、敵地を横断突破するより他に道はない。六郎太、雪姫ら一行は奇策に満ちた敵中突破作戦を開始する。
 危機また危機、アクションに次ぐアクションが小気味よく連続するシナリオは、まず黒澤が絶対に突破できない設定を作り、他の3人の脚本家がなんとかそれを突破するアイディアをひねり出し、それを討議して練り上げるという完璧な体制。男勝りの雪姫を演じた上原美佐の魅力も、公開当時大いに話題を呼んだ。また本作は黒澤監督が初めて手掛けたシネスコサイズの作品であり、大胆な構図、スクリーン全体に張り詰めた緊張感とダイナミズムで観る者を圧倒する、第一級の娯楽作品である。

▲PEGE TOP

監督
 黒澤明
脚本
 小国英雄
 久板栄二郎
 黒澤明
 菊島隆三
 橋本忍
撮影
 逢沢譲
出演
 三船敏郎
 森雅之
 香川京子
 三橋達也


1960年 151分


(C)1960 TOHO CO.,LTD.

悪い奴ほどよく眠る


【上映日時】

6/19(火)19:00 6/20(水)12:00


 黒澤監督が自ら設立した黒澤プロで初めて製作した作品。現代社会にはびこる政治汚職に鋭く切り込み、同時にサスペンスに満ちた娯楽映画としても成立させた画期的な作品。
 汚職事件の責任を被せられて死んだ父の復讐に燃えて、その息子・西幸一が公団総裁の秘書として政界に潜入する。彼の策略にはまり悪徳高官たちが一人また一人と仮面を剥されていくその痛快さ。しかし、より巨大な権力の前に、西の孤独な戦いが敗北する時がやって来る。

▲PEGE TOP

監督
 黒澤明
脚本
 黒澤明
 菊島隆三
撮影
 宮川一夫
出演
 三船敏郎
 仲代達矢
 司葉子
 山田五十鈴

1961年 110分


(C)1961 TOHO CO., LTD.

用心棒


【上映日時】

6/2(土)12:00 6/8(金)19:00 

6/9(土)15:30 6/18(月)15:30


 『痛快娯楽時代劇の決定版』という呼び方が最も似合う、娯楽映画の技巧を追求した傑作時代劇。
 やくざの2大勢力が縄張り争いに明け暮れ、すっかり荒れ果ててしまった小さな宿場町。そこに流れて来た桑畑三十郎と名乗る凄腕の浪人が、用心棒として雇われる振りをして両派を煙に巻き、同士打ちさせようとする。

▲PEGE TOP

監督
 黒澤明
原作
 山本周五郎『日々平安』
脚本
 菊島隆三
 小国英雄
 黒澤明
撮影
 小泉福造
 斎藤孝雄
出演
 三船敏郎
 仲代達矢
 小林桂樹
 加山雄三
 団令子

1962 TOHO CO.,LTD.


(C)1962 TOHO CO.,LTD.

椿三十郎


【上映日時】

6/2(土)15:30 6/9(土)19:00

6/10(日)12:00 6/16(土)19:00

 大ヒットを記録した『用心棒』に続き、三船敏郎が再び三十郎を演じた。今回、口から出まかせに名乗った名前は、椿三十郎。ある藩の御家騒動に巻き込まれた三十郎が、腹黒い家老たちの不正を暴こうとする若い侍たちを手助けして大活躍。
 原作は山本周五郎の「日日平安」。映画にも原作の持つユーモラスな味が受け継がれている。加山雄三を始めとする若侍たちの早る気持ちと三十郎のマイペース振り、更に奥方や娘とのコントラストは絶妙で、監督自身も「久々に喜劇的なものが撮れた」と語っている。しかも『用心棒』で見せた三船の迫力ある立ち回りも健在で、随所でスピーディな太刀捌きを展開。驚異的な20人切りは、息もつかせぬ迫力で観る者を圧倒する。そして何と言っても、この映画の最大の見所はラストの三船と仲代達矢の決闘シーン。30秒にもなろうかと思われる睨み合いの末、一瞬の居合い抜きで勝負がつく。血が噴水のように噴き上がる演出は、それまでのどの映画にもなかったもので、この作品以降、他の時代劇や海外のアクション映画、サム・ペキンパーの作品などに決定的な影響を与えることになる。

▲PEGE TOP

監督
  黒澤明
原作
 エド・マクベイン
  『キングの身代金』
脚本
 小国英雄
 菊島隆三
 久板栄二郎
 黒澤明
撮影
 中井朝一
 斎藤孝
出演
 三船敏郎
 仲代達矢
 香川京子
 山崎努
 三橋達也

1963年 143分


(C)1963 TOHO CO.,LTD.

天国と地獄


【上映日時】

6/3(日)15:30 6/8(金)15:30 

6/11(月)15:30 6/20(水)15:30


 誘拐犯と捜査陣との息づまる対決を描いた、サスペンス映画の決定版。エド・マクベインの小説『87分署シリーズ』の一編『キングの身代金』を脚色。"誘拐事件"そのものの過程を追うにとどまらず、犯人が犯行に至るまでの動機をもくっきりと描き出した、重厚な人間ドラマが展開する。
 全編に渡って圧倒的な緊張感が溢れており、中でも日本映画史上に残るほど有名な、身代金奪取の意外なトリック・シーンが圧巻だ。黒澤監督は疾走する特急こだま号を舞台にすると決めるや、こだま号の設計図を入手し、当時の国鉄を電話で質問攻めにして列車の構造を隅々まで分析してトリックを考案した。そして国鉄の全面協力のもと、実際にこだま号を走らせ8台のカメラを同時に回すという、他の日本映画では考えられないダイナミックな撮影を敢行した。あくまでもウソのない演出姿勢が、この作品を他の犯罪映画とは一線を画したリアルなものにしていることは言うまでもない。

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監督
 黒澤明
原作
 山本周五郎
  「赤ひげ診療譚」
脚本
 井手雅人
 小国英雄
 菊島隆三
 黒澤明
撮影
 中井朝一
 斎藤孝雄
出演
 三船敏郎
 加山雄三
 山崎努
 団令子


1965年 185分


(C)1965 TOHO CO., LTD.

赤ひげ


【上映日時】

6/15(木)19:00 6/16(土)11:00 6/22(金)19:00

 江戸時代に材を取った山本周五郎の小説の映画化。1965年度モスクワ映画祭映画労働組合賞、ヴェニス映画祭サン・ジョルジュ賞、国際カトリック映画賞を受賞している。
 物語は、貧しい町人のための医療施設、小石川養生所を舞台に、上昇志向の強いエリート医が様々な人々との出会いを通じ、成長していくという人間ドラマ。黒澤は複数の長屋物語だった原作を大胆に脚色、一長屋の群像劇に凝縮しヒューマニズムの共通テーマを賦与した。特に少女おとよをドフトエフスキーの「虐げられた人々」のネリをヒントに重要人物として拡大、また山本周五郎の要請により赤ひげを単なるヒューマニストとしてではなく"心に傷を負った人物"として描出、完成作を観た山本をして「原作よりもいい」と言わしめた。

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※本編はカラー映像です。

監督
 黒澤明
原作
 山本周五郎
  「季節のない街」
脚本
 黒澤明
 小国英雄
 橋本忍
撮影
 斎藤孝雄
 福沢康道
出演
 頭師佳孝
 菅井きん
 殿村敏之
 三波伸介
 伴淳三郎


1970年 140分


(C)1970 TOHO CO.,LTD.

どですかでん


【上映日時】

6/14(木)19:00 6/15(金)12:00

 山本周五郎の小説「季節のない街」を原作に、黒澤監督が24作目にして初めて手掛けたカラー作品。公開当時、批評家やファンを驚かせたのは、その実験的とも言える色使い。画家出身の黒澤は色に対する感覚も人一倍敏感。自らセットの背景に雲の絵を描いてみたり、カメラの前にマジックインキで色を塗ったガラスを置いてみたりと、数々の大胆な試みは、知らず知らずのうちに観る者を、主人公の六ちゃんのメルヘンの世界へと誘う。
 六ちゃんは、"電車馬鹿"と呼ばれている少年だ。彼は毎日、自分が電車の運転手になったつもりで、「どですかでん、どですかでん」と口で擬音をたてながら、"街"から"街"へと走って行く。観る者は六ちゃんに連れられ、いつしかその電車の乗客となって、愛すべき様々な人達と出会う。

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※本編はカラー映像です。

監督
  黒澤明

脚本
  黒澤明
  井手雅人

撮影
  宮川一夫
  斎藤孝雄
  上田正治

出演
  仲代達矢
  山崎努
  萩原健一
  根津甚八
  大滝秀治


1980 年 179分


(C)1980 TOHO CO.,LTD.

影武者

【上映日時】

6/20(水)19:00 6/21(木)11:00

 武田信玄の死の謎と武田家の滅亡にまつわる壮大な物語を、ダイナミックかつ華麗に描いた1980年度カンヌ国際映画祭グランプリに輝く超大作。偉大な武将信玄は死の直前に「我死すとも3年は喪を秘し、ゆめゆめ動くな」と遺言を残す。残された武田の重臣は信玄そっくりの盗賊を影武者に仕立て、敵の目をあざむくという奇策を実行に移す。
 映画は影武者に仕立てあげられた男の人生をタテ糸に、信玄を失って動揺する武田家の興亡をヨコ糸に、"高天神城の攻防"や"長篠の戦い"など数々の大スペクタクル合戦シーンを盛り込みながら、一人の当主の力量が試される合戦と、その合戦に否応なく巻き込まれた兵士達の無常感を描いてゆく。

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監督
 黒澤明
原作
 ウィリアム・シェイクスピア
脚本
 黒澤明
 小國英雄
 井手雅人
               ●
撮影
 斎藤孝雄
 上田正治
 中井朝一               ●出演
 仲代達矢
 寺尾聰
 根津甚八
 隆大介
 原田美枝子


1985年 162分


(C)角川映画


【上映日時】

6/21(木)19:00 6/22(金)12:00


 「どうしても作りたかった」と公言し、日本映画の演出としては10年振りとなった『影武者』でさえ、本作品のための試作目的を兼ね備えていたという黒澤明後年の代表作。
 『乱』の原点はシェイクスピアの4大悲劇の一つとなる『リア王』である。黒澤が当初企画した戦国時代の武将の悲劇、"1本の矢は折れるが、3本束ねると折れぬ"という「三本の矢の教訓」で有名な毛利元就の3人の息子たち、あの優秀な息子たちのお陰で毛利はあれだけ繁栄したが、もし彼らが骨肉の争いをしたら、という発想が3人の娘を持ったブリテンの老王リアの悲劇に結びつき、黒澤映画芸術の集大成を築き上げた。
 「私の中に残っているエネルギーをすべてこの作品に注ぎ込みたい。天の視点から人間のやっていることを俯瞰の目で見て描きたい」と黒澤が語ったように、作品から匂ってくる無常観、厭世観が観る者を圧倒する。『姿三四郎』でデビューを果たしてから40年以上にもわたって日本映画の地位向上に心血を注いできた黒澤だからこそ作りえた作品といえる。『乱』には26本の映画を生み出すことによって培ったきた黒澤の映画観・人生観・芸術観が、異様な緊張感を含有しつつ濃密に内包されている。

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監督
 黒澤明
原作
 村田喜代子「鍋の中」
脚本
 黒澤明

撮影
 斎藤孝雄
 上田正治

出演
 村瀬幸子
 井川比佐志
 リチャード・ギア
 大寶智子
 伊崎充則


1991年 97分

(C)1991 松竹株式会社

八月の狂詩曲<ラプソディー>


【上映日時】

6/13(水)15:30

長崎郊外に住む、かつて原爆を体験した祖母の許を訪れた4人の孫が体験するひと夏の出来事を描き、反核を訴える感動ドラマ。


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監督
 黒澤明
原作
内田百陲内田百闡S集」より
脚本
 黒澤明
撮影
 斎藤孝雄
 上田正治
出演
 松村達雄
 香川京子
 井川比佐志
 所ジョージ


1993 年 134分

(C)角川映画

まあだだよ              


【上映日時】

6/15(金)15:30

黒澤明監督が、敬愛する随筆家・内田百閧ニその門下生たちとの交流をほのぼのとしたタッチで描いたドラマ。これが黒澤明監督最後の作品となった。

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